今回は、大学4年生の長女との、ちょっといい話について書かせていただきます。
長女は就活中で、食にとても興味があるので主に食品業界を志望しています。現在は終盤となり、どの会社に行くか迷っているようです。
冬に帰省した時に、長女が戻った後に机を見たら、紙が2枚置いてありました。それは、食品関係の会社の面接で話す内容を書いたメモでした。
読んでみると、「食の中でも特に料理に関わりたいと思っていて、原体験が2つあります。」とのことで、うち1つが私のことについて書かれていました。それは、以下のような内容でした。
「母は、私が反抗期でどんなにひどい態度を取っても手間をかけて食事や弁当を用意してくれたことです。理由を聞くと、食事さえ用意していれば愛情が伝わりまた仲直りできると信じていたとのことでした。もちろんこれには根拠はありません。」
「しかしここから、人にそこまで信じさせる料理の力を感じました。食べ物が簡単に買える時代に、自身や相手の健康のためにわざわざ料理をすることは、とても価値あることだと思っています。」
「自分のためでも、他人のためでも、料理をすることは人の心を満たす、食の温かさを感じられる最たるものだと思っており、そこに魅力を感じています。」
また、冷蔵庫のドアポケットにある、様々な調味料にも興味を持ち、それも志望動機の1つだと話していました。
率直に嬉しいなあと思いました。誇張して書いているかもしれませんが・・・。長女とは高校時代、良い関係ではなかったからです。勉強、部活、友達関係などが思うようにうまくいかなくて悩んでいる様子でしたが、私に打ち明けることはほとんどありませんでした。
当時、私は色々なことが重なりとても多忙で、長女に優しく接する余裕が無く、八つ当たりもしていたと反省しています。必然的に私への反抗心が強くなり、喧嘩も多く、「うるせえ」とか「〇そばばあ」などと言われたこともありました。
高校教師の友人に相談したところ、「三者面談でも、反抗期がひどくて大変ですっていう保護者が多いけど、自立心の現れだから、良かったですね!的な感じだよ」という回答でしたが、なかなか大変でした。
そんな中でも長女は昼休みにLINEで時々、「お弁当おいしかったよ」と送ってくれることがありました。記憶に残っているのは、カブの葉をふりかけ風に炒めたものなど素朴なものが好きでした。
昔、テレビか何かで、「料理をちゃんと作っていれば、子どもはグレない」と聞いたことがあり、夫の母も同じことを言っていたので、頭の片隅にありました。高校生くらいになると、顔を合わせる時間も短く、当時は会話も少なかったので、私が愛情を示せる手段として、夕食とお弁当を作ることくらいしかないと思い、頑張って作っていました。
今になって長女に伝わっていたと知り、驚きましたし嬉しく思います。
紆余曲折ありましたが、大学生になって1人暮らしを始めてからは、親や周囲の方のありがたみがわかったこともあり、何でも話してくれますし関係は良好です。
事務局S.K