思えば、こどものころは、親にわがままを言っていたなと思います。どこどこに行きたいとか、何をやりたいとか、これが欲しいとか・・・。それを、もちろん全部ではないけれども結構な数のわがままを聞いてもらったと思います。「こども」とは言えない学生の頃にも、バイクが欲しいと言っていました・・・。

 この間の休日、福島市の文化センターで開催されたカウント・ベイシー・オーケストラの公演に行ってまいりました。私自身は、音楽は好きなので、いろいろなコンサートには出かけています。ただ、ジャズを普段聴かないこともあって、ジャズコンサートにはこれまで行ったことはありませんでした。カウント・ベイシーという名前は聞いたことがありましたが、どんな楽団なのかもほとんど知りませんでした。

 母から、秋口に、「今度、郡山にカウント・ベイシー・オーケストラが来るらしいの。昔聴いていたのが懐かしいので行ってみたいから、チケット買ってほしいんだけど」と言われました。そこで、郡山の文化センターに行ってみましたが、そのような予定はありません。よく調べてみると、文化センターは文化センターでも、郡山ではなく、「福島県文化センター」で開催されることがわかりました。このことを母に言うと、福島でも行ってみたいと言うのでした。

 私は、そんなに行きたいのなら、と、福島に用事があったときに福島県文化センターでチケットを買ってきて、当日、母を連れて行きました。
 カウント・ベイシー氏はもう40年も前に亡くなっていて、母が聴いていたとすると、それよりも前で、当時の楽団の方はいらっしゃらないのだとは思いますが、余裕たっぷりの風格のある演奏でした。楽団の皆さんが、真面目に、同時に楽しそうに演奏しているのを見て、いい意味で自由なジャズのコンサートに行ってもいいなと思うような、いい時間でした。
 何より、母が喜んでいた(もっと知ってる曲をやってくれればいいのにとは言っていましたが、具体的にこの曲ということでもなさそうで・・・)のがよかったです。
 帰ってきて気づきました。昔は、それこそカウント・ベイシー氏が活躍されていたころには、私が親にどこどこに行きたいとわがままを言って、両親に連れて行ってもらっていたのが、気づけば今回は、母の興味のあるものに一緒に行くようになったんだなと。カウント・ベイシー・オーケストラを通じて、少しは親孝行できたかな、と思った休日でした。

弁護士 渡邊真也