節分の話です。次女は幼稚園での豆まきを、とても楽しみにしていました。落花生を入れる袋を画用紙で作り、節分の日の朝は「鬼をやっつけてくるね!」と元気いっぱいで幼稚園に行きました。

 夕方、幼稚園に迎えに行くと、次女のお友達が数人、玄関に出てきて興奮気味に豆まきの様子を話してくれました。赤鬼と青鬼がいたこと、ひげがあって怖い顔だったこと、泣きそうになったけれど我慢して、豆をおもいっきり鬼に投げたことなど、勢いよく次々にしゃべります。
 あるお友達が私に「豆まきが終わってもね、私と〇〇ちゃん(次女)は、こわくてずっと泣いてたの。青鬼は手袋をしてて、田中先生(仮名)の手袋と同じだったんだ。なんで、青鬼は田中先生と同じ手袋なのかなぁ」と不思議そうに話しているのを聞いて、笑いがこみあげてきました。鬼を怖がりながらも冷静に観察していたことに、感心してしまいました。

 次女は自宅に帰ってからも幼稚園のことを思い出し「鬼こわかった。おうちにも鬼が来ちゃうよ~こわい~」と大泣きして泣き止みません。
 その様子を見ていた長女が「あのね、幼稚園の鬼は男の先生なの。手袋が同じっていうんだから、青鬼は田中先生だよ。鬼は人間がお面をつけているの。鬼なんていないんだよ」と言うと、次女はピタッと泣き止みました。
 田中先生は、普段から子どもたちと遊んでくれる優しい先生で、次女は田中先生が大好きです。「ほんと?鬼はいないの?田中先生だったのかぁ」と安心した様子でした。

 次の日、次女は担任の先生に「鬼たちは、先生がやったんですか」と聞くと、担任の先生は「鬼は本物か、本物じゃないか、わからないよ」とニヤッと笑ったそうです。それを聞いて次女は「やっぱり本物の鬼はいる」と思ったようです。
 子どもには、怖いものや不思議なことがあった方が、おもしろいのかもしれませんね。

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