私達弁護士がつける弁護士バッジは、外側に「ひまわり」の花、中央に天秤がデザインされており、ひまわりは「自由」と「正義」を、天秤は「公正」と「平等」を追い求めることを表しています。

 目標だった弁護士になった時、金色に光った弁護士バッジの交付を受けて、とても誇らしい気持ちになったことを覚えています。

 私は、弁護士3年目から5年目まで、青森県にある「つがるひまわり基金法律事務所」で執務しました。(「○○(=地名等)ひまわり基金法律事務所」は、全国の、弁護士過疎地域に35箇所(令和4年4月1日現在)あり、若手弁護士が任期制で活動しています。)

 つがるひまわりでの日々には、方言や大雪など大変なこともありましたが、情緒あるストーブ列車、金木や弘前の美しい桜、風光明媚な岩木山やリンゴ畑の風景、けの汁等の郷土料理、そして温かい人達、心に染みる思い出が沢山あります。

 もうまもなく青森を去るという頃に、案件が無事解決して笑顔になった依頼者の方から、「横山先生の事務所は『ひまわり』だから、先生のことを思い出すために部屋にひまわりの花を飾ろうと思う。」と言われたことがありました。私の「ひまわり」での仕事の成果は「ひまわりの花」としてこの地に残っていくのだ、と感慨深いものがありました。

 このように、私にとって「ひまわり」は、青森で過ごした日々を思い起こさせるキーワードでした。

 そして、昨年の夏に郡山布引風の高原に行ってからは、子ども達が広大なひまわり畑に分け入って行く光景が目に浮かぶ、「家族の思い出」の花にもなりました。

 先日、テレビで、映画「ひまわり」(1970年公開)の主題曲のピアノ演奏を聴きました。

 この映画に登場するひまわり畑は現ウクライナで撮影されたとのこと、ウクライナではひまわりの花は「国の花」であり、「平和」の象徴であることを知りました。

 悲しげな旋律に、彼の地で突然平穏な日常を奪われた沢山の人々のことを思い、涙がこぼれました。

 「自由」や「正義」、何よりも「平和」が、一日も早く取り戻されることを願ってやみません。

 青空の下、太陽に向かって真っ直ぐ伸びる黄色い花が、いつか「復興」の象徴になると信じています。

                                 弁護士横山友子