日本では、フルタイム就業の夫婦間でも、その家事の分担割合は、仕事のある日で妻は夫の2倍程度家事をしており、仕事のない日でも妻は夫の1.8倍程度家事をしています(内閣府男女共同参画局HP
https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/balance_research_202003.html掲載の令和元年度家事等と仕事のバランスに関する調査報告書概要版7頁参照)。
 このような結果となっている原因はいろいろ考えられますが、一つの原因としては、夫が妻の家事の負担の内容について具体的に理解していないことも影響しているのではないかと思っております。

 我が家でも、私と妻の間で、一応の家事分担をしており、私としては、それなりに負担しているのではないかと考えておりましたが、このたび、妻が帰省のため、家を長期間空けることがありました。
 私を待っていたのは妻が負担していた家事でした。
 炊事や食器洗い、洗濯、水回りの掃除など、すべてを挙げるのは難しいほどあります。これらの家事について、遠くにいる妻に電話やLINEで聞きながら進めました。
 具体的には、洗濯では、下着やタオル等を洗濯する標準コースと、私服やYシャツを洗濯するおしゃれ着コースに分けて選択し、しわにならないように干し、取り込んだ後はきれいに畳み、洋服ダンス等に仕舞う等、作業量が多くとても時間のかかることがわかりました。食器洗いでは、食器を洗うだけでなく、食器を乾かすために水を切るためのざるや吸水マットも、頻繁に洗わなくてはいけないことがわかりました。
 今回、妻が行っていることの家事負担について、少し具体的に知ることができました(妻は二人分の洗濯や炊事を行っているので、単純に比較することはできませんが、、、)。

 私は、現在、福島県弁護士会の両性の平等に関する委員会に所属し、性別の違いによる負担等の偏りの解消等に関する活動をしています。冒頭で記載した、「令和元年度家事等と仕事のバランスに関する調査報告書概要」の結果として、妻に家事の負担が偏っている現状については、上記委員として考えていかなければいけないことです。その足掛かりとして、とても小さなことですが、今回の経験を機に、妻と話し合い、私たち夫婦間における適正な家事分担の在り方について、よく協議してみたいと思います。

                          令和4年7月27日

                             弁護士 伊 藤 龍 太